第5回:有り得ない仮説

以前、路上において演奏している人に

「ライヴハウスで演らないんですか?いいトコありますよ」

と話しかけたところ、こういう答えが返ってきた。

「いや〜、まだそんなレベルじゃないから」

おい、「そんなレベル」に到達する前に、殆ど聴いていないとはいえ不特定大多数のオーディエンスを相手に演奏していたら、上手くなった時にどこで演奏するつもりなのか、まさかスタジアム級か?と思わず聞き返しそうになった。
この方はそんなレベル(どんなレベル?)に達する前に、人前でライヴをやっているのである。
特に田舎の繁華街では業界に拾ってくれるスカウトやプロデューサーが飲みに来ている訳でもないのに(笑)。
こういう方はどういう感覚でストリートをやるのか、常々疑問に思っている。

なぜこんな事を述べているのか。要はプレイヤー自体が「他人と交わらずに済み、他人から評価を受けないで済む」方向にシフトしている事を肌で感じるからである。
それを助長する意味で、より安直で即効性のある「アコギ」はマストなアイテムだろう(死語)。
他人から評価を得るためだけに演奏している訳ではない事は少なからず理解しているつもりだし、独りよがりな音楽も大アリだと思う。であるならば、人前で演奏する必要は無いはずである。

更に、こんな実話が。去年の8月末日に名古屋の金山という街で見かけたあるストリートの方は、駅入口の雑踏でごった返している通路の横でボソボソと歌っていた。
そのボソボソが非常に興味をそそり、暇だったのでその方の前で演奏を聴こうと近くに座ったら、突然演奏を止めて歌本をパラパラめくり、次の歌の1番を歌っている途中で突然演奏を止めて歌本をパラパラめくり、次の歌の1番を歌っている途中で突然演奏を止めて歌本を・・・割愛(笑)。何がしたいのか、こういう方が、結局もう一人居た(笑)。
ひょっとしてこの都会事情、大声で練習する場も自宅には確保出来ないのかも知れない、と有り得ない仮説を立ててみたりしていた。んじゃスタジオ行けよ、である(笑)。

夏休みの最終日の、山のような宿題よりも厄介な問題である。


次回は「社会承認という欲求」。

by.ミスターTAMIYA

2007/02/27 Tue


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