第15回:アファーマティヴアクション


前回において、経験のある強い立場の者が、経験の無い弱い立場の者の利益になるとして、立場的弱者の意志に反してでも、その行動に介入・干渉することを「パターナリズム」といい、多くの葛藤をかかえる事になると述べた。そのことで生じる誤解や強迫観念をどう取り除くか、これは立場的に非常に難しい問題である。

 この一連の葛藤の収束のために、今後は「アファーマティヴアクション」を積極的に取り入れたい。本来は「積極的差別是正措置」といって、弱い立場に立たされている方々への制度的優遇措置のことであり、当て嵌めて換言すれば「意見を言えない・言い難い状況にある場合、積極的に意見を聞かなければならない」ということである。

 Puff Projectにおいては、最終的な目標として「ムーヴメントの形成」を掲げている。これは逆算的思考から、ムーヴメントの形成に必要な要素を割り出し、その要素に対してどういう実績が必要なのか、その実績を挙げるためのメニューや条件は、といった手法を考えているのだが、この長期的な壮大なる計画は「実行者」の存在が不可欠である事は言うまでも無い。この「実行者」とは「パフォーマー」であり「スタッフ」であり、時には「スポンサー」という事もあるだろう。これらの人々を少しでも多く産み出す、所謂「裾野を広げる」ということが理想であり、第一の条件となるだろう。

 この条件をクリアするためには、生涯そのパフォーマンスを続けられるくらいの「パフォーマーの継続性」が問われる。途中で飽きてしまうくらいのパフォーマーが束になっても、0986地域の音楽芸術活動の夜明けはまだまだ遠い。この継続性の最大の敵は

「ただ目立ってみたかった」
「ただステージ下から見上げて欲しかった」という類のパフォーマー


である。大概1回限りのこの人種は、得てして携帯電話は最新型だったりする。何が言いたいかというと、「身近な部分でいいから、スゴイと言って欲しかった、で終わる」類のパフォーマーだ、ということだ。パフォーマーとしての本質はその掌中から零れ落ちても平気だが、少しでも自分のステータスが上がる事に関しては非常に敏感なのである。

 しかし、こういう類の人種も、今後どんどん受け入れていく。何故なら、そういった人種は1回で終わるし、長くは続かない。しかし中には途中で覚醒する例もある。やったビデオを見て分かった、全然ダメだった、次はもっとレベルを上げて、そういう「突然変異」がこれまでも多数発生している。長く楽しんでいるパフォーマーは皆、大なり小なりの「突然変異」だからである。

 ここでのキーワードは「経験」である。「1回限り」と「継続性」というこの対極を受容していく部分として「経験を基にしている」ということが挙げられる。まだ経験もしないのに「でもそんなの関係ねぇ」と言われてしまっては、という事だろう。しかし一方ではその経験が「他人が求めている結果に繋がっているのか」というのが問題で、その結果に繋がらない経験は必要無い、というのも頷ける。言い換えれば「他人のストライクゾーンは外している」という事だ。そのことが原因で1回限りとなった事も事実としてある。

 ということは「アファーマティヴアクション」として、その出演者自身のストライクゾーンとお客様が求めている最終的なイメージを可能な限り正確にニーズとして把握し、摺り合わせ、その実現に必要な作業を、そしてその作業に必要な知識を経験に基づいて(求められた場合にのみ)提供し協働していくという事なのだ。言葉で言うのは容易(たやす)いが、実行する場合は素人なだけにかなり緻密な調査や事前協議が必要になってくる。


 次回「スクラップ&ビルド」にて、一連の理念に対する考えをまとめてみたい。




by.ミスターTAMIYA

2008/5/13 Tue



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